訳者:須軍(シュイ クン)、 侯小天(コウ ショウテン)、陳昕(チン キン)、徐晨吉(ジョ シンキツ)、王港(ワン コウ)、姚晨(ヨウ シン)、金婕(キン ショウ)、趙穎新(チョウ エイシン)
Editorial Essay
エディトリアルエッセイ
デジタル都市のテーマセクション編集巻頭語
潘霁* 特集号編集者
https://doi.org/10.1515/omgc-2023-2004
コミュニケーションの視点からデジタル都市を考察
デジタル技術は世界中の都市を根本的に再構築している。新しい形態の非人間知性、センサーネットワーク、データ/コンピューティング技術が現れ、自己更新していることにより、都市も同様に変化している。都市の運営の時間性と空間性は大きく変化している。都市の星に住む人々の共同の未来のために、メディアの研究者は学術界や一般の人々に対して、デジタル都市に関する議論にコミュニケーションの視点を加える責任がある。
デジタル都市において、なぜコミュニケーションの視点が重要なのか?ジェームズ・キャリーは彼の傑作の中で「現代のコミュニケーションは、経験や意識の通常の基準、関心や感情の通常の構造、生きているという通常の感覚、社会的な関係を劇的に変えている。」と述べていた。デジタル時代においても、これらの要素は都市の本質を構成し、人々が都市との関わりを形成している。異質な要素、人間、象徴的な/歴史的な蓄積物との複雑なコミュニケーションが都市を形作っている。技術主義的、行政的、経済的な計画など、これらの要素を組み合わせる異なる方法によって、デジタル技術の潜在能力が異なり、都市の異なる形態が生まれることがある。一部の計画は疎外、搾取、退屈という近代性の最も悪名高い症状をもたらす結果になるかもしれない。どの計画がデフォルトになる前に、私たちはスペクトラムにコミュニケーションの視点を加えることが不可欠である。新興技術がまだ進化し続けている現在、コミュニケーションの視点は効率や制御志向の都市計画に対する抗毒剤となりえる。
都市研究におけるコミュニケーションの視点とは何だろう?まず第一に、デジタル都市に住むことによって個人の経験や感情が変化することを強調する。時間や空間の概念の変化、個人が公共空間と関わる機会、都市の感覚的な風景の再編成など、いくつかの問題がある。コミュニケーションの経験的な側面は、新しい都市住民の種を生み出す。新しい都市の文化、美学、政治が生まれる。第二に、共有と協働の新しい形態を生み出す新しい都市プロセスが検討される。デジタル技術は、歴史と現代を再結びつけ、遠くと近くをつなぎ、仲介されたものと即時のもの、自然と人工を結びつける。これらの再結びつきは変革的である。社会的な相互作用、都市管理、公共文化、交通、ビジネス取引のプロセスが変容する。都市の市民性のアップグレードは、デジタルのつながりによって生活に突如として現れた人間や非人間の新参者と共存し、協働する方法を学ぶことで現れる。最後に、コミュニケーションの創発的な性質を強調する。具体的には、コミュニケーションの視点は異質な要素との遊び心のある出会いを提唱し、空間や場所、美的な経験、協力と支援のネットワークを生み出すものである。コミュニケーションは距離と違いを前提としている。都市計画の行政的や経済的な視点とは異なり、コミュニケーションの視点は異種性の持続的な共存、そしてそれらを関連付ける対称的かつ創造的なプロセスを重視するコミュニケーションのある都市は、住民が日常生活の単調さと戦うための創造的で楽しい場所である。
これらの考えに基づいて、デジタル都市とグローバル文明の再編に関するこのテーマセクションは、デジタル都市の研究においてコミュニケーションの視点を求めることを試みている。スコット・マクワイア氏(Scott McQuire)のエッセイでは、スマートシティの枠組みが不十分であると主張し、都市のデジタルインフラの設計と運営をコミュニケーションの観点からアプローチすることを提案した。信号対雑音比の工学的な調整や効率的な伝送のモデリングを超えて、マクワイアは、個人と集合的なアイデンティティを形成するために、人間がシンボルを操作しストーリーを語る技術的存在としての根源的に社会的なプロセスを求めた。Mikuckiの研究では、メディアを人間と機械、機械と機械のコミュニケーションとして扱い、ベルリンとワルシャワの都市当局がスマートシティソリューションを実施する方法を調査した。著者は、都市当局、市民、機械の間の新しいコミュニケーションプロセスを記述するために、ネットワーク、プラットフォーム、メディアインフラが使用されていると主張した。Rosatiらの論文では、ディズニーの騒動と新しいインターネットの景観、バージニア州南部の南北戦争の跡地を基盤とし、データセンターを備えたサーバーファーミングの現状にどのように関連しているかを探求した。著者たちは、その地域のデジタル大家が民主主義の条件を制御していることを批判し、より自由でコミュニケーション豊かな生活を育む責任を求めている。
この特集では、多くの問題に触れていないが、私たちが伝えたいメッセージは明確だ。ジャーナルのタイトルに響応して、私たちは都市をメディアとコミュニケーションの観点から研究したいと考えている。デジタルメディアシステムの運営は、新たな都市の形態を生み出すだけでなく、世界的に都市を再結びつけます。起こっていることを理解または説明するためには、新たな問題意識と方法論が必要だ。この特集は、その方向での取り組みについての刺激と対話を促すことを期待している。
作者の所属:復旦大学(中国 上海)
公式サイト:https://ORCID.org/0000-0001-7802-1408
Louisa Ha*
2023年夏、エディトリアルエッセイ: デジタル都市、アフリカにおけるChatGPTの利用、ナイジェリアのオンラインニュース報道におけるロシア・ウクライナ戦争、香港反引き渡し抗議活動における情動の煽動とディスインフォメーションの使用
https://doi.org/10.1515/omgc-2023-2003
テーマエディターの潘霁さんが紹介したデジタル都市と世界文明の再構築に関する特集セクションに加えて、この夏季号では2つのアフリカに関するオリジナル研究も掲載される。グレゴリー・ゴンドウェ氏(Gregory Gondwe)の記事は、アフリカのジャーナリストがChatGPTと人工知能をどのように使用し、認識しているかを取り上げており、西洋の情報支配がオンライン情報に関してジャーナリストたちに懸念を引き起こしていることを示している。Osakue Omoera とEmeke Nwaoboli氏の研究では、2つの人気のあるナイジェリアのオンラインニュースサイト、「Sahara Reporter」と「Premium Times」を取り上げ、これらのサイトがロシア・ウクライナ戦争をネガティブに描写し、両国に住むナイジェリア人の追放と位置づけている様子、そしてナイジェリア政府がロシアとの強力な貿易関係や輸入依存にもかかわらず、西洋の立場を支持していることを示している。
今回の特集では、英語圏外の翻訳記事として、中国からの研究論文が掲載されている。翻訳された論文は、Jingtai Tang、Chen QiuyiとXu Mingliangの「感情的共同体と統一行動:香港反引き渡し法改正運動におけるディスインフォメーションの感情的動員メカニズムについて」、元々は『ジャーナリズムとコミュニケーション』で発表されたものだ。この論文は、Twitter上の投稿を対象とした計算された感情分析と内容分析を行っている。香港の抗議活動参加者が当時Twitterで使用したディスインフォメーションキャンペーンにおける感情的動員メカニズムを説明している。この研究は、社会的な不安定や公共の動員の研究において重要な示唆を与えている。また、この論文は中国で発表されたコミュニケーション研究において、洗練されたビッグデータ分析の使用が増えていることも示している。
楽しくお読みください!
作者の所属:ボーリング・グリーン州立大学(米国)
メール:louisah@bgsu.edu
公式サイト:https://orcid.org/0000-0002-0223-368X
Beyond the smart city: a communications-led agenda for 21st century cities
スマートシティを越えて:21世紀の都市に向けたコミュニケーションを主とする一議題
Scott McQuire
https://doi.org/10.1515/omgc-2023-0018
要旨
IoTセンサーから大型スクリーン、モバイル機器に至るまで、デジタルメディア技術は21世紀の都市インフラとして浸透してきた。都市のデジタル化を考えるためのこれまで主な枠組みは、「スマートシティ(Smart City)構想」とされるが、本稿では、その枠組みはデジタル都市インフラの社会的可能性を最大化するには不十分であることを主張したい。デジタル都市インフラは、都市の外観を変えるだけでなく、社会環境としての都市がどのように機能するかをも変える。代替的な枠組みとして、私たちはデジタル都市を考えるための「コミュニケーション都市(communicative city)」を提案する。「コミュニケーション都市」は、ネットワーク化した都市空間(networked urban space)をグローバル化したメディアの今の重要な問題意識が実質的にインスタンス化できる「テストケース」とする機会を提供する。また、それは身体性メディア(embodied media )や新形態のコミュニケーション・エージェンシーの日常体験と情報追跡のパワフルな論理や都市ガバナンスのテクニックとしての新形態の自動化や機械学習の普及との衝突のフロンティアゾーンである。
キーワード:
都市コミュニケーション(Urban Communication)、デジタルインフラ(Digital Infrastructure)、スマートシティ(Smart City)、コミュニケーション都市(Communicative City)
CHATGPT and the Global South: How are Journalists in sub-Sahara Africa engaging the Chatbots?
ChatGPTとグローバルサウス: サブサハラ・アフリカのジャーナリストはチャットボットにどう関わっているのか?
Gregory Gondwe
https://doi.org/10.1515/omgc-2023-0023
研究目的
本研究では、誤報、盗用、ステレオタイプ、オンラインデータベースの非代表性の問題に焦点を当て、サハラより南のアフリカにいるジャーナリストによる生成的AIツールの利用について調査する。この研究は、グローバル・サウスがAIツールを効果的かつ公平に使用できるかどうかという調査を、より広範な議論の中に位置づけるものである。
デザイン/方法論/アプローチ
本研究では、コンゴ民主共和国、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ザンビアのサブサハラ・アフリカ5カ国のジャーナリストへのインタビューを実施した。本研究の目的は、サブサハラ・アフリカのジャーナリストがChatGPTをどのように活用しているかを確認することである。なお、本研究は、IRBの承認を得た直後の2022年9月19日に開始したAIに関する進行中のプロジェクトの一部である。ChatGPTプロジェクトは、参加者がすでにチャットボットを使用していることが判明したため、2023年1月に開始されました。
研究成果
本研究では、ChatGPTのような生成AIは、規模が小さく代表的でないアフリカ諸言語のコーパス上で動作するため、文明的・非文明的と見なされる言葉への傾向性が見られ、この地域での有効性が制限されることとなったということを強調している。 しかし、代表的なコーパスがない場合、ChatGPTのような生成AIツールは、ジャーナリストが完全に依存することができないため、効果的なジャーナリズム実践の機会を提供することも示している。
実践的な意味合い
本研究は、人間の機関が関連情報をツールに提供し、グローバルなデータベースに貢献する必要性と、バイアスやステレオタイプを最小限に抑えるためにAIツールを設計する際に多様なデータソースを考慮する必要性を強調している。
社会的な意味合い
本研究は、AIツールが発展途上国のジャーナリズムにプラスとマイナスの両方の影響を与えること、ジャーナリズムやその他の分野におけるAIツールの責任ある倫理的な利用を促進する必要があることを示すものである。
オリジナリティ/価値
本研究の独創的価値は、ジャーナリズムにおけるAI活用の課題と機会を明らかにし、ポストコロニアル思考を促進し、AIツールの開発・活用における多様なデータソースと人間の主体性の重要性を強調することにある。
キーワード:生成AI、ChatGPT、誤報、盗用、ステレオタイプ、サブサハラ・アフリカ諸国、言語コーパス、ジャーナリズム
Data plantation: Northern Virginia and the theorization of digital civilization in “The Internet Capital of the world”
データのプランテーション:北バージニア州と「世界のインターネット首都」のデジタル文明の理論化
Clayton Rosati, Aju James, and Kathryne Metcalf
https://doi.org/10.1515/omgc-2023-0017
研究目的
バージニア州北部とワシントンの都市圏は、グローバルなデジタル都市システムの中で重要なノードとして発展していることがよく知られている。この論文では、1990年代と2000年代における、「プランテーションセン」(対アントロポセン)と呼ばれる人類の変容の惑星時代の一部としての技術的地理学の成長を調査した。
研究方法
本研究では、歴史的かつ批判的な手法を用いて、バージニア州北部における人種、景観、技術政策などを分析した。
研究結果
この論文では、アメリカの南北戦争と、レコンストラクションの失敗後に「奴隷制の来世」として復活したプランテーションの大きな不平等に根ざした「田園的な」農業景観への地域の社会的結びつきを明らかにする。そして、世界のインターネットトラフィックの7割を占める「サーバファーム」(いわゆるデータセンター)産業を基盤とした、資源の独占、搾取の抽出、単一的な「エコロジカル」を特徴とする、「デジタルプランテーションエコノミー」の中で、ある種のプランテーション経済の条件を提示する。本論文では、プランテーションセンのこのデジタル的特性を、歴史の変更、「耕作可能な」(デジタル)土地の蓄積と支配、準封建的な所有権の下での社会的プロセスの剝奪が、不平等で持続不可能や暴力つきな文化的、政治的生態系を奨励した南北戦争後の反乱の時代のものと見ている。
現実的な意味
デジタルアーバニズムを検討している研究者は、現代のメディア産業のオンラインとオフラインの地理を理解するためにこの方法を使うことができる。
社会的な意味
本研究では、現代の反政府運動と人種・民族主義運動のデジタル調停の成長を、プランテーション、人種差別の社会的不平等、奴隷制の廃止によって引き起こされる、より長期的な未解決の地球紛争の一部と見ている。
オリジナル/価値
「データ植民地主義」に関するいくつかの研究は、デジタルアーバニズムを、主に農業に焦点を当てたプランテーションセンに関する研究と暗黙のうちに結び付ける一方で、このエッセイは、特定の歴史的地理的文脈の中で場所に基づいて、特定の政治経済的アクターの役割に焦点を当てて、この関係を明示的にする。
キーワード
北バージニア州、ネットワークインフラ、レコンストラクション、プランテーションセン、都市の権利
Managing Future Cities: Media and Information and Communication Technologies in the Context of Change
未来都市の経営ー変化の文脈におけるメディアと情報通信技術ー
Jacek Mikucki
https://doi.org/10.1515/omgc-2022-0065
要旨
研究目的
本稿の目的は、ヨーロッパの2つの都市であるベルリンとワルシャワのケーススタディを通じて、両都市における情報技術やメディアの利用状況を調査することである。調査から得られた結果は、ヨーロッパの2つの都市の異なる戦略に基づき、都市政策やメディアのインフラデザインを作成するために利用することができる。ベルリンとワルシャワは、スマートシティのコンセプトを経済的、歴史的、社会的な現実に適応させながら、異なる道を歩んできた。ここでは、メディアを人間・機械、機械・機械のコミュニケーションとし、また、物理的なメディアとデジタルメディアの両方のインフラとして捉えている。
研究方法
本研究の目的は、市役所当局による実践的なスマート・ソリューションの導入から、その戦略・制度(民間・公的)を検証することである。本研究は、グレー文献(報道、企業戦略、市役所文書)の分析と定性調査を組み合わせたものである。 両市の自治体および都市計画担当者に対し、30件の半構造化インタビューが行われた。
研究結果
調査結果により、スマートシティ・ソリューションの実施に対する潜在的な推進要因と障壁を示す証拠が得られると考えられる。また、都市におけるメディアと情報技術が、通常は独立的にスマートシティ戦略を実施する事業体のデータ政策により実施されていることを示す証拠となるであろう。市当局の課題は、基本的なインフラへのアクセスを保証することにあり、これは民間事業者による他のソリューションを作り出すための基礎となるものである。
実践的意義
この実証研究により、ベルリンやワルシャワでは、機械間の通信に基づくソリューションがまだ十分に理解されていないが、「即席」のソリューションの利用が広がっていることを示す証拠が得られると思われる。
社会的意義
本研究は、スマートシティの管理者、メディアインフラ、住民と情報通信技術に焦点を当てた都市戦略のための情報源として利用されることが期待される。メディアや都市の専門家、学者だけでなく、社会学者、政治学者、エンジニア、ICT専門家、政策立案者、都市管理者、市民にも役立つ結果となっている。
価値
本研究では、モバイル機器、メディア型サービス、ICTの重要性の高まりが、市役所の開発戦略に変化をもたらし、都市を分析する新たな理論的アプローチをもたらすことが明らかになった。また、ネットワーク、プラットフォーム、メディアインフラが、都市当局、市民、機械間の新しいコミュニケーション方法について述べられている。先進的なメディアインフラ(ソフト・ハード)を整備することで、「未来都市」を生み出すことができると主張されている。
キーワード:スマートシティ、スマートシティ戦略、スマートシティメディア、メディアインフラ
Sahara Reporters and Premium Times Online Coverage of the Russia-Ukraine War
「サハラ・レポーターズ」と「プレミアムタイムズ」によるロシア・ウクライナ戦争のオンライン報道について
Osakue Stevenson Omoera and Emeke Precious Nwaoboli
https://doi.org/10.1515/omgc-2023-0022
要旨
研究目的
マスメディアは、人間社会にとって、特に紛争や戦争時に重要なニュースソースであり続けてきた。メディア依存理論によると、危機や不安定な状況下では、社会は戦争の進展を理解するために、伝統的なメディアや新しいメディアにより依存するようになるとされている。本稿では、「サハラ・レポーターズ」と「プレミアムタイムズ」によるロシア・ウクライナ戦争に関する報道の頻度を調査し、「サハラ・レポーターズ」と「プレミアムタイムズ」のロシア・ウクライナ戦争の報道で最も支配的なトーンを特定し、「サハラ・レポーターズ」と「プレミアムタイムズ」のロシア・ウクライナ戦争に関する報道のフレームを分析する。
理論的枠組みと研究方法
ロバート・エントマンのフレーミング理論に基づき、2022年3月から2022年9月までの「サハラ・レポーターズ」と「プレミアムタイムズ」のオンライン報道を研究対象とし、サンプル抽出にはセンサスサンプリング手法が、データ分析の方法には説明構築モデルが用いられている。
研究結果
2022年のロシア・ウクライナ戦争に関する「サハラ・レポーターズ」と「プレミアムタイムズ」の報道は頻繁であることが示された。また、ロシアとウクライナのナイジェリア人移民や留学生に対する戦争の影響に、より大きな関心を寄せていたことがわかった。
研究意義
調査結果によると、オンライン新聞はロシア・ウクライナ戦争に否定的な記事が多く、戦争がナイジェリア人、特にロシアやウクライナにいるナイジェリア人留学生への影響を重点的に報道していることがわかった。
研究価値
本稿は、ロシア・ウクライナ戦争に関するナイジェリアのオンライン報道を調査することで、メディア研究におけるロシア・ウクライナ戦争に新たな視点をもたらしている。したがって、したがって、ナイジェリアのオンライン新聞は、戦争に関する否定的な報道とナイジェリアの利害関係者に対するその影響にのみ焦点を当てないことが勧められる。関係者に影響を与え、戦争を止めるための行動を起こさせ、ナイジェリア人が学業や生活の改善を求め海外に移住するのを防ぐために充分なインフラと人材供給を行うナイジェリア政府の責任を問うために、報道にはより多様なフレームワークとトーンを採用すべきである。
キーワード:ロシア・ウクライナ戦争、マスメディア、危機、フレーミング理論、サハラ・レポーターズ、プレミアムタイムズ、ナイジェリア、ナイジェリア人移民、オンラインニュース報道。
Emotional Community and Concerted Action: On the Emotional Mobilization Mechanism of Disinformation in Anti-extradition Law Amendment Movement in Hong Kong
偽情報の感情動員メカニズムについて――2019―2020香港民主化デモを例にして
Tang Jingtai Chen Qiuyi; Xu Mingliang
https://doi.org/10.1515/omgc-2023-2002
要旨
コンピューティングプロパガンダの大規模な応用に伴い、偽情報運動が「ポスト真実」政治の論理に順応するということが、全世界に広がっている。中国以外のソーシャルメディアでは、意図的に中国をターゲットにする偽情報キャンペーンが頻繁に行われている。
本稿では、中国に関連する国際的な偽情報キャンペーンの伝播メカニズムを検討するため、2019年に香港で勃発した「民主化デモ」キャンペーンを例に挙げ、Google Fact Check Exploreプロジェクトで検証した「民主化デモ」キャンペーンの偽情報に基づき、Twitterプラットフォーム上の関連データを集め、偽情報の感情動員のメカニズムを検討する。コンテンツ分析、感情分析、時系列分析を研究方法にした。
本研究はこのような偽情報キャンペーンの伝播メカニズムを理解した上に、偽情報を広めることがキャンペーンの感情動員の重要な戦略となったことを明らかにした。偽情報を作る主体は、国際的な伝播マトリックスを形成し、様々な偽情報を大規模に作成し、拡散している。「抗議者連合」は偽情報による共通の感情体験に基づき、偽情報を広める行為を特徴としている。そして、偽情報に対応する感情が広く拡散されることで、読者が「ターゲット」に対する異なる認知を引き起こす。その結果、デモ参加者は異なるタイプの集団行動を取るようになる。このような感情動員のメカニズムは、真実の「大きくてわからない」という性質が確認バイアスを悪化させ、偽情報の流布により広いスペースを提供することを示している。偽情報に込められた強い感情は、デモ参加者のコミュニティへの想像を完成させる。また、異なる感情タイプは異なる集団の成り立ちや行動タイプにモチベーションを与える。
キーワード:社会運動、ツイッター、感情的コミュニティ、動員メカニズム、時系列分析